今大会は国際交流戦。誰が優勝して、誰が良い記録を出して、表彰台に乗ったという事を重きに置いていません。次世代の選手たちが新たな経験を通して何かを掴んで貰いたいという狙いがあります。

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台湾側の選手は、言葉が全く通じないアウェイの場所。言葉が通じる中華圏の試合とは異なり食事や生活習慣も異なります。いつもできる事ができなくなります。気の弱い子だったらトイレの場所も聞きにいけないなんて事も有るかもしれません。競技スタート時間やタイミングもイマイチ分からず、なんとなく流れに流されてしまったら実力を発揮できなかった。海外で競技をするという事は、そんな「つまらない事」に引っかかってしまいがちです。
台湾に比べるとかなり寒いですし、食事の味付けや香りも異なりストレスも溜まっていきます。
そんなストレスが、もしも初めて重要大会で当たった時に選手は対応できないでしょう。今大会は日本選手の多くが彼らより格下の選手で勝敗は大きく影響しない大会。つまり失敗した経験を積める場だったのです。

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2014年夏、日本代表の約半数を連れ台湾合宿に行きました。合宿のテーマはバンクトラック攻略とスピードアップでしたが、実はもう一つ大きなテーマが有りました。
アウェイの環境に慣れさせる、海外のストレスに慣れさせることです。これはスピードがついた、体力がついたのと違い目に見えない部分です。
ハードな練習でどんなに疲れて食欲が無くてもある程度の量を食べさせ、自分のタイミングで滑りたい時にも自由勝手には滑らせず時間内だけにしました。試合で栄養が無いのは致命的ですし、具合も悪くなってしまいます。滑りたがる選手を止めさせた理由はいつくかあるのですが、一つは試合では自分の好きな時間に自由には滑る事ができないからです。

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3週間で4試合したのですが細かく情報を与える試合と、全くアドバイスをしない試合を作りました。ある試合ではウォームアップ時間、食事のとり方にも指示し、出番前何分くらい、ラップタイムなどの細かい情報を与えました。結果、全体的に成績が良かったです。
次の試合では大まかなスケジュールとウォームアップだけ伝え選手任せにしましたが、多くの選手は結果を大きく落としてしまいます。
レース後、種明かしをしました。対戦相手がほぼ同じなのに成績を落としてしまったのは多くの選手が適当な時間に食事をとったりウォームアップをし、なんとなく流されて試合に臨んでいたのです。暑いのにしっかり休もうとせず外で待ち続ける選手、そろそろ試合が始まるというのにのんびりとしている選手もいました。
次の日の高雄での練習試合では、前日の反省を踏まえ完全自己管理で試合に臨み成績を持ち直しました。
1か月後のアジア選手権を睨んでいたからです。他国と違い日本は代表スタッフが少なく、自己管理が非常に重要になってきます。ご飯が食べられない、海外でウキウキして寝れない、、そんなつまらない事でつまずいて欲しくなかったのです。
台湾での自己管理の失敗と成功の体験を繰り返しが、2014年アジア選手権のメダルラッシュの一因となったはずです。

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(ちなみにアジア選手権金メダルの岡部選手の自己管理はもともと良かったですね♪食事の量、アップ時間、休む時は休むができていました)
過去ブログ アジア選手権を終えて https://daiskating.wordpress.com/2014/09/28/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E9%81%B8%E6%89%8B%E6%A8%A9%E3%82%92%E7%B5%82%E3%81%88%E3%81%A6/
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経験を積むという事は、いちいち気を付けている事さえ忘れてしまうくらい「普通の状態」に持っていくことです。
台湾は既に世界トップ3のインラインスピード強国。練習も試合もほとんど国内、、いや、自分のチーム内で済んでしまう筈です。なぜ、わざわざ他国に経験を積みに行くのか?これこそが台湾の強さの秘訣なのかもしれません。

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